堀田 (『忍者キャプター』オープニング映像をご覧になりながら)この音楽(主題歌「斗え忍者キャプター」)、懐かしいなぁ…。
やっぱりあれですかねぇ、堀田さん。頭からその話をするけど、やっぱり俺が原因で打ち切りになったんでしょうかねぇ?
堀田 俺、楽屋話、参加しなかったから解らない。
いや、だからさ、俺が打ち切りに原因にしたっていう話が…。
堀田 全く解らない。
勿論それもあったかもしれないけど、制作側の事情で、次の作品、石森プロの『快傑ズバット』が多分押し込まれて、「これやりたい」みたいなのが入ってきたんじゃないかと。 『キャプター』は石森プロの作品じゃないんですよ(クレジットは東映映像本部テレビプロデューサーの共同ペンネームである“八手三郎”)。だから石森プロ側の企画があって、(かなり早期に)『快傑ズバット』の持ち込みが来たと思うんです。
堀田 その辺のことは、(プロデューサーの)平山(亨)さんが生きていらっしゃったら、克明に判るんだろうけど。
俺、あんまりその辺の事情って、平山さんに訊かなかったんですよ。某女史との関連で、それで打ち切りになったとか。そういう話、平山さんから全然聞かなかった。
堀田 今日初めて聞いたな(笑)。全く知らない。(『忍者キャプター』は)全部で何本くらい撮ったのかな?
40何本くらい?
堀田 そんなに撮ってるんだ。
司会 全43話ですね
40本以上いけば、御の字。
司会 『忍者キャプター』は、当時の東京12チャンネル(現.テレビ東京)の番組の中では目玉コンテンツで、視聴率もかなり高く人気もあったようです。昔の12チャンネルは他局の番組の再放送が多かったのですが、この辺りから自局での製作番組も増えてきました。
佐藤 そう、(視聴率は)10%超えてたから。あの頃(12チャンネルの番組が)10%超えるなんてあり得なかったですよ(笑)。覚えてますよ。「この番組、スゴイんだって」って、(見学)バスなんかが沢山来てたのを。
堀田 12チャンネルだったんだ〜。それも知らなかったなぁ(笑)。
司会 ですから、地方では放映されていないこともあり、今になってDVDや動 画配信で初めてご覧になってファンになった方も多いのです。
佐藤 『キャプター』のファンの方って、大勢いらっしゃいますよね。
堀田 段々思い出してきたけどね、俺のブログ(「俳優 堀田眞三(グランパ)です。」)に来てくれるファン、『忍者キャプター』のファン、多いよ。
うえだ 伴さん、こういうヒーロー物って何本くらいやったの? 『キカイダー』の他に。
あと『イナズマン』『イナズマンF(フラッシュ)』。その他に『バトルフィーバーJ』(1979年)があった。これはレギュラーで。あとは円谷系の『電光超人グリッドマン』(1993年)も演ってるし。『キャプター』はね、やっぱり田中(秀夫)監督の印象が強いんだよね。田中監督はかなりサディステックな演出が好きな人で(笑)、人を痛めつけたり虐めたりするのね。ヒロインが縛られたりとかの演出が大好きなんだよね。
佐藤 小笠原(猛)さんもそうでした(笑)。
小笠原さんも好きだったね〜。『キャプター』って、サディスティックな監督が多いね(笑)。
佐藤 そんな感じ(大爆笑)!
堀田 田中さんに小笠原さんが(助監督として)ずっと付いていたね。
佐藤 お二人がすごく仲が良かったのを覚えてる。
『スケバン刑事』(1985年)で、俺がゲストに出たとき(第16話「決死の脱出!  恐怖の地獄城」)、演出が田中監督だったんだけど、「伴ちゃん、いいからね、(主演の斎藤由貴女史を)蹴飛ばしても構わないから。思いっきり足で蹴飛ばして!」って言われたんだよ。「え〜、そんなの出来ないよ、新人の女の子をさ」って言ったら、「いいからいいから。蹴飛ばして!」って。…田中監督、そういう人なんだよね(爆笑)。あの時、敬太(佐藤氏)は田中監督から可愛がられたよね。
司会 佐藤さんにお訊きします。花忍役の女優さんが第26話をもって交代しますが、初代花忍 キャプター3・桜小路マリア役の松葉夕子さんとは、結構ご一緒のシーンが多かったようですね。
佐藤 多分、松葉さんとは一番長く一緒にいました。彼女の自宅に、俺と三平(金忍 キャプター5・大山昇役の藤江喜幸氏)の2人で泊まりに行ったこともありますよ。
司会 エンディング映像は、敬太・マリアのコンビの描写でしたね。二人で楽しそうに足漕ぎボートを漕いで。
佐藤 あの撮影は、石神井公園でしたね。
司会 花忍役の女優さんといえば、初代の松葉さんも、2代目花忍・天堂美樹役の野川愛さんも全然消息が判らないんです。
俺の(番組)関連の女の子たちって、番組終わってから、誰も(取材やイベントに)出て来ないよね(苦笑) 。
司会 (『キカイダー』レギュラーの)水の江じゅんさんは、いかがですか?
彼女、(表舞台に)出て来ないんですよ。そう、出てきて欲しいのに。
司会 「ハワイのイベントで、水の江じゅんさんらしき女性の画像を見た」という話がありましたが?
あの女性は違うよ! あれはハワイのプロデューサー。ファンから「水の江さんですか?」って訊かれて、本人まんざらでもないような顔してさ(苦笑)。
佐藤 (爆笑)。
司会 くだんの女性プロデューサーの画像を拝見したかぎりでは、なかなかの美熟女かと。
水の江じゅんは、もっと可愛いよ! 絶対可愛いよ!
司会 水の江さんは女優デビューの前、ファッション誌のモデルさんだったそうですね。
そうなんだぁ。あの娘は絶対ズレてないと思う。多分、いまだに当時の体型を保ってると思う。だから会いたいんだ。だけど出てこないんだよねぇ。
うえだ 水の江さんって、歌手もやってたんだよね。私、彼女から歌(歌唱)を教えてもらったことがある。
そうなんだぁ。堀田さんを見るといつも思うんだけど、「クリント・イーストウッドさんそっくりだなぁ」って 。まるで映画「グラントリノ」(2008年)だよ。
うえだ 堀田さんとは、よく京都でお会いしましたね。
堀田 峻さんとは、よくチャンバラでご一緒しましたよね。よく覚えている。うえだ峻さん、名優だから。
うえだ (笑)。
堀田さん、ホントにイーストウッドさんに似てるよ。
堀田 ありがたいことです。クリント・イーストウッドさんと親しい人がいて、去年お会い出来て。
「似てる」って言われたでしょ?
堀田 言われた(笑)。今クリント・イーストウッドさん、85歳なんだけど、これから5〜6年先もビッシリ予定が入ってるそうです。
堀田さんもまだこれからだよ。
堀田 日野原重明先生って、105歳のお医者さん。「これから10年先予定がいっぱい」って。元気だもの〜。30メートル位の舞台をず〜っと歩いて上がって、こういう振りやって歌おうとしたり、すごいパワー。
司会 堀田さんは最近、日韓合同製作映画をはじめ、海外映画にお出になられているとか。
堀田 有難い!
外国映画のほうが絶対いいよ。
うえだ 堀田さん、純然たる日本人?
(一同爆笑)
うえだ 日本人もルーツを辿れば色々あるけどさ。あるけども堀田さんは、我々とは違うみたいな気がするなぁ(笑)。
俺は日本人だよ(笑)、純然たる。
堀田 有難いことに、去年2本韓国映画をやって、うち1本は日本でも夏公開。
堀田さん、本当に勿体ないよ! だから海外へ行ってやらないと。
堀田 この歳になって、いろんな指名いただいて、講演も入ったり。「特撮番組で鍛えられたんだな」って思ってる(笑)。好き勝手に演らせてもらって、1970年代後半もアンチ・ヒーローをずっと演らせていただいて。(一部の)監督やプロデューサーから「“ジャリ番組”出ちゃ駄目だよ」って言われたけど(苦笑)。 楽しかった。演らせてもらったことで、今こうして能書きを言わせてもらえる。
俺、時たまハワイへ行ってさ、サイン会やったりするんだけど。“スタン・リー”さんってご存知? 『スパイダーマン』の作者。いま92か93歳。彼がハリウッドから出てきてハワイでサイン会やると、1サインにつき100ドル、約1万円ですよ。で、写真を一緒に撮らせて80ドル。しめて180ドルで2万円近い。そこまで出来てまだ元気なんだよ。そういう人もいるんだから。歳なんか全然関係ない。
堀田 日本の芸能界の閉塞感。意識がみんな貧しくなった、日本の中だけだから…。韓国のトップスターのチョン・ウソンに「ギャラいくら?」って訊いたら、「7000万円です」って。韓国のスターは5〜6億円くらい(の制作費)の作品でそれだけ獲れる。そういう仕組みになってるんだよね。そして世界を目指している。だから意識がすごく高い。で、監督も日本で撮影すると、日本語もペラペラ。主演の若手俳優も日本語 を勉強してる。英語話せるのは当たり前。世界へ向かって動く。
アメリカなんかでも、韓国映画の売込みがすごい。スターはみんな、向こうへ行きますよ。でもやっぱりはっきり言ってハリウッドでは通用しないね。やっぱり飛ばしちゃう。やっぱり難しい。非常に難しい。相当売り込んでもなかなかハリウッドは難しい。堀田さんもやった方がいいと思うよ。向こうのプロデューサーに紹介してもらって。
堀田 芸能界に入って、最初イギリスで映画に出演した時に、シャーリー・マックレーンさんと一緒にやらせてもらって。そのときにウィリアム・ロスさんという大プロデューサーから「(この映画の撮影が)終わったらアメリカへ行こう」って誘われて。ウィリアム・ロスさん、後で知ったけど大プロデューサーで、まだ生きてらっしゃると。自伝も出てる。
だって渡辺謙くらいであそこまで行くんだから。はっきり言って。
堀田 いやいや、謙さんは…。
勿論それは本人の努力もあるよ。英語を一所懸命やって、そこから(先へ上へ)行けば…。
堀田 彼ら(ハリウッド映画に出演した日本人俳優諸氏)が素晴らしいと思うことは、出るべくして出てる人柄、人間力。
そりゃそうだよ。向こうは人間ですよ。人柄です 。
堀田 あと、タイミングはあるね。ブレーンとか、ファンというよりコアな人が、「こいつを何とかしてやろう」って動く。小林稔侍さんを売り出した緒方拳さんの女性マネージャーと一緒でね、運命で人生は変わる。芸能界に入ってすぐ山城新伍さんから言われたのは、「芸能人と付き合うな。色んなジャンルの人たちと付き合え。刺激をどんどん吸収することが大きな財産になる!」と。正しくそのとおり。
うえだ 私は芸能人の友達って、伴ちゃんくらいしかいないね(笑)。
俺もそういうアレ(ブレーンやアドバイザー)は、いないからね。普通の他のジャンルの人と会うようにしてる。
うえだ その方がいいよね。
堀田 (芸能界以外の)人と付き合うと、例えば「会社の宴席に出てくれ」とか、「宣伝してくれないか」って、ロータリークラブ・ライオンズクラブ・警察なんかで、それが拡がっていく。色んなところで繋がっていくとパワーをもらえるでしょ? それが大きいな。
司会 我々特撮ファンの側からしたら、「人気番組が終わってもキャストの方々はずっと仲が良く、お付き合いが続いているもの」とばかり思い込んでいました。そうしましたら文学座のあるベテラン女優さんが、意外にも「役者って作品が終わったらてんでバラバラで、お付き合いが続くというのは極稀なことだ」と教えてくださいました。
たしかにそうだね。一旦バラバラになったら、もう集まることってないよね。そういやねぇ。
うえだ それ言ってたの、本山可久子さん?
司会 そうです。 『レインボーマン』という東宝のテレビ特撮作品で、主人公・ヤマトタケシの母親役を好演していらっしゃいました。
うえだ そうでしょ。なんとなく本山さんだって判った(笑)。
司会 堀田さん、芸能界で親友とまではいかなくても、気心が知れている方は?
堀田 誰も付き合ってくれないよ(笑)。いろんなジャンルの人、例えば去年の暮れに安藤昇さんのお別れ会で、「堀田さん、東映代表で弔辞やってくれ」って。新年早々警視庁から、振込オレオレ詐欺防止の講演依頼があったり。全国勝手連の会長から「新聞に寄稿してくれ」とか、色んな声をいただく。そうなると(課題を)クリアしなければと思い、勉強するし、次に繋がっていく。その結果俺の情報が警察庁に上がって「一日警察署長やりますか?」とか。横のつながりが財産だね。
堀田さんはこれからだよ。
堀田 …もう70歳過ぎてるし。
いや、とんでもない。少なくたって、まだ20年はあるよ。
堀田 「俳優です」って言える人は、俳優で飯食えて初めて「俳優」って言えるんですね。事務所におんぶで抱っこで「お願いします」で全部任せてしまうから、事務所が仕事を取ってこないと仕事がない。そういう次元の意識では、安っぽ過ぎる。
うえだ (テーブル上に置かれた『キャプター』のブロマイドや写真を見ながら)私は(特撮番組レギュラーは)『キカイダー』しかないからなんだけど、当時はこういう番組、沢山あったんだなぁ…。
司会 1972〜1973年の頃は、毎日民放局のどこかで特撮番組が放送されていました。そいういう意味では、伴さんも先ほどお話しされていましたが、主演作品を何本もお持ちというのは、やはりすごいことですね。『キカイダー』の企画時に、吉川進プロデューサーの奥様が伴さんの宣材写真をご覧になって、「悲しい表情と瞳が綺麗なこの子(伴氏)が(ジロー役に)イイわね」とおっしゃったのが、キャスティングの決め手になったとか。
俺、吉川さん宅へ遊びに行ったんだよ。奥さん、また言ってたよ。「あたしが貴方を選んだのよ」って。(笑) 鎌倉だから、家が遠いんだよ! 大船からバスで30分も揺られて行ってさ。それで「また遊びに来て」って(笑)。
司会 吉川夫人、密かに伴さんのことを好きだったりして(笑)。
そうだよ(笑)。自分で気に入ったなら、きっとそうだ(笑)!
司会 ともあれ、吉川夫人の審美眼は確かでしたね。
確かです(笑)。『キカイダー』に関しては、俺はそれを言うわけ。「これはキャスティングの妙ですね」って。こんなキャスティングは絶対組めないね。だからジロー役は俺でなきゃダメ。他の誰が演ったってダメ(笑)。うえちゃんのハンペン(服部半平)も他の誰が演ってもダメ。出来ない。マサルも神谷(政浩)くんじゃなきゃダメ。それからミツコも水の江(じゅん)くんでなきゃ出来ない。光明寺博士も伊豆(肇)さんじゃなきゃ出来ない。ギル教授も安藤(三男)さん。みんなハマっちゃってるんだ。『キカイダー』は、そういう奇跡のキャスティングだった。俺は絶対そう思ってる。
うえだ プロフェッサー・ギルの安藤さん、懐かしいねぇ。
安藤さん自身も気合が入ってた。あそこまで真面目に役づくりやる人は、なかなかいないよ。普通はやらないよ。
うえだ 安藤さんはね、映画「飢餓海峡」のときに、三國連太郎さんとボートで渡ってね。すごい人なのよ。
それぞれがいいポジションで、ハカイダー・サブローの真山(譲二)くん、これもすごい! 全てがピッタリはまってる! だから、うえちゃんの次の久里みのるさん(『キカイダー01』百地頑太役)が俺に相談しに来たからね。「伴さん、(ギャグメイカーは)どういう風に演ればいいの?」って。
うえだ 鳥取砂丘にロケ行ったの覚えている?
覚えてるよ。「月の砂漠」歌ったっけ(笑)。(スタッフの)フーコとか岡くんとかね。
うえだ 私は監督たちのその後を知らないんだよね。え〜っと、岡くんはサードで、チーフが…何てったっけ?
白髪まじりの。
うえだ あ、白髪まじりの人で、辻(理)くんっていなかった?
辻監督。
うえだ 岡ちゃんよりは辻くんの方が上だったね。
堀田さんは辻監督は?
堀田 う〜ん、ピンとこない。判らない。
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