すすき野団地
『レッドバロン』第13話、親友・八木沢が遺したフィルムを元に、“鬼月山ニュータウン”へ調査に出向いた大郷ボス。ロケ地となった“すすき野団地”を、現地に到着した大郷ボスの視点とほぼ同一アングルで望む。中央奥の建物が最も早く建設された現6号棟。
中央の青いマンションは私営で、近年建設されたもの。その後方に見える白い団地が、劇中右側に映ることが多かった現3号棟。すすき野団地のなかでは、現6号棟と並び、最も早く建設された。
“すすき野団地”レポート
レポーター◎「こちら特撮情報局」奥虹

『レッドバロン』第13話 大郷ボスの友人・八木沢夫妻が鉄面党に殺害され、大郷は遺児・アキラを保護する。生前、八木沢が撮影した鬼月山ニュータウンのフィルムに秘密があると推測した大郷は、独り団地へ調査に向かう。が、「両親の敵を討ちたい」と密かに自動車のトランクに忍び込んでいたアキラを鉄面党に人質にされ、手も足も出ない。偽警察署長の謀略により呼び出された健とともに、磔になった大郷ボスたちの運命は…? 5大都市をミサイルで破壊する“MM計画”を粉砕することが出来るのか?
磔にされた大郷ボス・健たちを救出するため、哲也・大作がマシンガン内蔵のリモコン飛行機を操縦した鉄塔。高圧線は後方の川崎市多摩区王禅寺方面へ続いている。
大郷ボスが自動車でやってきた方向を望む。向かって左側は、磔台地点の“すすき野第二団地第一住宅8号棟”。右側は哲也・大作がいた、鉄塔のある“虹ヶ丘団地3号棟”。
今回紹介させていただくロケ地は、『レッドバロン』第13話、大郷ボスが友人・八木沢が遺したフィルムをヒントに調査に乗り出した“鬼月山ニュータウン”の舞台となった、横浜市青葉区内の“すすき野団地”だ。“すすき野団地”は多摩丘陵の南域にあり、川崎市多摩区と隣接。もともと水田・畑・山林が圧倒的な面積を占める農村地帯だった。東急建設などが田園都市構想を謳い、人口5万人を目標に開発を進めた。しかしすすき野団地の入居が始まっても子供たちが集まらず、1974年5月1日開校の小学校は、児童数59名、職員数14名の小規模でスタートせざるを得なかった。その後、東急ストア・もみの木台大松屋商店街などショッピングエリアの完成により、人口が増加していった。
“すすき野団地”で最も古い区画。道路を挟み、左が現6号棟。画像右、信号の奥に見えるのが現3号棟。横断歩道と平行して、手前には黒須田川が流れる。
『レッドバロン』第13話の撮影は1973年6月上〜中旬と思われるが、当時すすき野団地は日本住宅公団“早野嶮山団地(仮称)”として、建設が開始されたばかりであった。
劇中大郷ボスは、川崎市多摩区方面から自動車で現地入りし、黒須田川・雪柳橋手前で車から降り、八木沢が遺した写真を確認する。撮影キャメラに映されるのは、メイン道路を挟んで左がすすき野団地現6号棟、右が同3号棟で、ともにまだ骨組しか確認できない。
雪柳橋から黒須田川上流方向を望む。左は虹ヶ丘団地3号棟方面。右はすすき野団地現6号棟方面。工事車輌の重量に耐えられる雪柳橋は、いち早く1972年5月に竣工された。
大郷ボス・健・アキラが磔にされている場所は、黒須田川を挟んで現3号棟の向かい、現“すすき野第二団地第一住宅8号棟”区画の中央辺り。磔台の場所は8号棟内にある給水施設付近と思われるが、当然40年前の面影は跡形ない。
大郷ボスたちを救うため、哲也・大作がマシンガン内蔵のリモコン飛行機を操縦する鉄塔は、磔台から北へ約200メートルの位置にある。この鉄塔は前述の8号棟に隣接する虹ヶ丘団地3号棟敷地内に現存する。因みに、劇中死刑執行直前シーン、偽警察署長とメカロボの背後に映る鉄塔は、現すすき野1丁目(当時.黒須田町)から現虹ヶ丘2丁目(当時.鉄町)方向へ連なる。
現6号棟前から、磔台地点にあった現8号棟方向を望む。40年前この区画はまだ造成中で、建築物が一棟もなかった。現8号棟の中央にある給水施設辺りで、磔台シーンが撮影された。
今回のロケ地“すすき野団地”は、劇中に“早野嶮山団地(仮称)”の看板が映り込んだり、現3号棟・6号棟前を通る道路が描く曲線が特徴的だったため、比較的特定が容易であった。すすき野団地は『レッドバロン』第15話登場の“たまプラーザ団地”や“元石川郵政宿舎”(ともに美しが丘)、第35話登場の“寺家町”からほど近い。
鈴木清監督のお話によれば、「(日本現代企画では脚本に則って)ロケ地候補をリスト化し、メインスタッフ全員でロケハンへ出かける」とのことだった。おそらくリスト化前の仮ロケハンの際に、後の撮影の利便性を考慮すると、ロケ地候補がどうしても動線の一直線上に並んでしまうことが多かったと推察する。
逆に、既に判明している複数のロケ地を結び、動線を導き出すことで、その他の未発見のロケ地位置を推測することが、一定可能ではないかと考える。
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