カフェ&レストラン ヒノキ
車中の大郷の目線から“ヒノキ”を左手に山中湖方面を望む。歩道が広がった分、店の敷地が狭まったように見受けられる。
森の樹木を想起させる白地に緑色のロゴが清々しい。
“カフェ&レストラン ヒノキ”レポート
レポーター◎「こちら特撮情報局」奥虹

『レッドバロン』第13話、友人・八木沢が遺したフィルムに写っていた“団地らしき風景”の意味するものは一体? それこそが鉄面党の悪辣な作戦を暴くヒントに違いない。大郷は単身“鬼月山ニュータウン(すすき野団地)”へ向かうが、そう容易くヒントは見つからない。
ニュータウンに程近いドライブインに立ち寄った大郷は、水撒き中の従業員に写真を見せて仔細を訊ねるものの「分かりませんね。警察にでも行って訊いてみたらどうです」と軽くあしらわれる。しかし、その従業員こそがメカロボの人間態だった。この後大郷が鬼月山ニュータウン警察署に向かうことを仲間達に電話で伝えるメカロボ。大郷は最早“袋の鼠”であった。
“ヒノキ”入口と店舗全景。
角度の関係で画像では見え辛いが、入口にはクラシックな外車が展示されている。車種は不明だが、アニメ『ルパン三世』に登場するルパンの愛車に似ているような気もする。
劇中、大郷が立ち寄った“レストラン 桧”は、店名こそ“カフェ&レストラン ヒノキ”に変わったが、現在も同地(御殿場市水土野)で営業中。現在のご主人に『レッドバロン』当該エピソード収録DVDをお送りして鑑賞していただいた後、短いながらもお電話でお話を伺うことができた。
「ソフトを送ってくださってありがとうございます。映像にあった建物や旧式の電話機に、とても懐かしい気持ちになりました。最初は私の妻の祖父母が、昭和48年(1973年)この地に開業しました。途中改築しましたので、現在の建物は映像のものとは違っていますが、道路沿いに映っていた細いタイヤがまだ店内にありますので、もし機会がおありでしたら是非お立ち寄りください」。
“ヒノキ”のご主人様、貴重なお話をありがとうございました。店舗を撮影させていただいた日は残念ながら定休日だったので、折りを見て再訪したいと思います。
ここ“ヒノキ”と、国道469号線を横切る自衛隊富士演習場内の戦車道は、直線距離で約7キロメートル。ここでの登場人物は、大郷と従業員(若駒冒険グループ所属の萩原紀氏)の2名だけだが、実際にはスタッフ・キャスト全員で“桧(現.ヒノキ)”に立ち寄ったのかもしれない。
車中の大郷の目線から、やや引いたアングルで店舗と敷地を望む。このアングルで観ると、歩道がかなり広がったことがお分かりいただけると思う。
劇中登場したオブジェのタイヤは、41年経った今も(店内に)健在とのこと。
福原博監督は「#9 霧のウラン鉱争奪戦」「#10 逆襲!破壊光線」の2本撮り。外山徹監督は「#11 美しき暗殺者 」「#13 五大都市爆破10分前」の2本撮り。高野宏一監督は「#12 この一撃に命を賭けろ!」「#14 不死身ロボットの謎」の2本撮り。鈴木俊継監督は「#16 鉄面党脱走犯E16号 」「#18 見よ!レッドバロンの最後」の2本撮り。
この時期の福原博・外山徹・高野宏一の三監督の2本撮りには共通点がある。2本のうち1本は静岡県内(それぞれ伊豆市・裾野〜御殿場市・富士宮市)で、もう1本は都内近郊で撮影されている点だ(鈴木俊継監督のみ2本のロケ地が神奈川県内で隣接)。
これは脚本段階からの取り決めで、“画(え)”づくりが平坦にならないための一種の工夫ではなかろうか? 無機質なコンクリートの建築物が映り込んだ“画(え)”に偏らず、緑の映えるロケ地を織り込むことで、SSIメンバーの活躍に躍動感が加わり、また鉄面党の作戦が国内広範囲に及んでいる背景を描き出すこともできる。もちろん地方ロケには、スタッフ・キャスト諸氏の慰労という側面があることも忘れてはならない。
『アイアンキング』の場合、その基本設定からして“自然”に溢れた“画(え)”が特徴となっていたが、『レッドバロン』の場合は“人工的な街の景色”と“自然の風景”をバランス良く散りばめた“画(え)”になっていたように感じられる。
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