城ヶ崎海岸
1995年に新設された高さ24.9メートルの“門脇灯台”から“門脇吊橋”横の岬を望む。
1960年に設置された旧灯台は、劇中に映り込んでいない。
“城ヶ崎海岸”レポート
レポーター◎「こちら特撮情報局」奥虹

『マッハバロン』第1話、航行中の客船のデッキに、ドイツから緊急帰国する世界的ロボット工学博士・嵐田陽一郎とその家族の姿があった。恩師・ララーシュタインの世界征服の野望を知ってしまった嵐田博士は、妻子を連れ、秘密裏に帰国の途に就こうとしていたのだ。しかし“ロボット帝国総統”を名乗る狂気のララーシュタインが、博士を生かして帰す筈もなかった。ハイルV1号で客船を撃沈される直前、博士はマッハバロンの設計図を隠した救命胴衣を息子・陽に着せると、直ちに避難させた。客船の生存者は陽少年ただ独りだった…。
10年後、嵐田陽は快活な青年に成長していた。陽の祖父にしてコンツェルンの総帥である嵐田竜之介翁は、私財を投じKSS(国際救助隊)を結成するとともに、亡き息子・陽一郎が設計した高性能ロボット・マッハバロンの建造を、盟友・村野博士と密かに進めていた。しかし唯一の操縦候補者である陽は、両親の仇を討ちたいと切望する反面、バロン操縦のための地道な特訓は忌み嫌っていた。
第1話の冒頭で陽が佇んでいた“門脇吊橋”横の岬を、劇中と同じアングルで望む(上画像)。さらに陽が立っていた岩場から相模湾を見下ろす(下画像)。
当時21歳だった下塚氏も、このロケーションには少々足が竦んだかもしれない。
“城ヶ崎海岸”は静岡県伊東市にある、富士箱根伊豆国立公園の指定を受ける風光明媚な海岸。約4000年前の噴火で溶岩が流出した際に、海岸線約2キロメートルが埋め立てられ形成、その後海の浸食作用で断崖絶壁の岬と入江が形成されるに至った。
冒頭、亡き父母の仇を討つことを誓う嵐田陽が俯瞰で映っているのは“門脇吊橋”横の岬(設定はKSS海底基地に程近い“キス岬”)。“城ヶ崎海岸”がロケ地として使われる際、頻繁に登場するポピュラーな場所だ。陽を演じる下塚誠氏は、水面から約50メートルの切り立った足場の悪い溶岩石上に立っている。これはかなり危険な撮影だったといえよう。
第2話で、出撃したマッハバロンを仰ぎ見る花倉刑事と健一が渡っていた“門脇吊橋”。風光明媚ではあるが、高所恐怖症の方にはお勧めできない。
祖父・嵐田竜之介がマシンガンで陽を撃つ場所は、前述の陽が立っていた岩場から東へ約10〜20メートル。竜之介を演じる香川良介氏の背後に、左右非対称の特徴的な溶岩石がある。マシンガンを巧みに避けるも、叱咤する竜之介に「(特訓を)やるよ。やりゃあいいんだろ」と愚痴る陽。その場所は、香川氏(竜之介)の立ち位置から更に東へ約10〜20メートルの辺り。
香川氏(竜之介)の立ち位置と、下塚氏(陽)の立ち位置は、映像上180度で向かい合っている形だが、実際の2つの撮影場所・キャメラアングルを結ぶと約90度の角度。当然シンクロしない別撮りだが、鈴木清監督は、まったく違和感を覚えさせない絶妙なカット編集で、竜之介と陽の会話シーンを構築している。
陽と相対する竜之介、バロンを応援する花倉刑事と健一が立っていた場所と思しき場所。左手はハイキングコースの通路、右手は断崖絶壁の海岸線。
『マッハバロン』第2話、村野博士の助言を無視し、メッサーM4とワルターU0の空海包囲作戦の罠にはまった陽は、博士から謹慎を命じられる。心優しきサブリーダー・岩井隊員の立ち回りもあり、謹慎を解かれた陽は、敵ロボット2体との再戦に挑む。
出撃したマッハバロンを仰ぎ見る花倉刑事と健一が渡っている橋は、第1話の冒頭で陽が佇んでいた岬から程近い“門脇吊橋”。“城ヶ崎海岸”がロケ地として使われる際に、最も頻繁に映り込むポイントのひとつだ。全長48メートル・高さ23メートルの吊橋で、初代は1968年に、現在の二代目は1997年に架橋された。
叱咤する竜之介に陽が「(やるよ。やりゃあいいんだろ」と愚痴っていた岩場。
右後方に見える岬からブルーとピンクが海へ飛び込む、『轟轟戦隊ボウケンジャー』のオープニングは記憶に新しい。
マッハバロンとワルターU0の対戦を岩場で見守る花倉刑事と健一。当該シーンで合成映像に使われた岩場は、この付近だと思われる。
花倉刑事と健一がマッハバロンとワルターU0の対戦を岩場で見守るシーンで、合成映像に使われている岩場は、嵐田竜之介がマシンガンで陽を撃った際に背後に見えた左右非対称の溶岩石の付近だと思われる。とにかく足場が悪く、岩が尖った危険な場所での撮影ゆえ、スタッフ・キャスト諸氏ともに大変苦労されたのではなかろうか。“城ヶ崎海岸”の全シーンは、約200メートル圏内の絶景アングルをチョイスし、効率的に撮影されたと推察される。
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