鶴川団地
SSIのメンバーが揃って駆け付ける団地の南東エリアは、ほぼ当時のままの景色。多くのロケ地と同様、木々の生長が41年の歳月を感じさせる(上)。

映像で左手前に見える6-8-14棟は木々に遮られているため、至近で確認する。リペイントやリフォームだけで、ほぼ半世紀前の建物がこんなにも美しく維持できていることに感動(下)。
“鶴川団地”レポート
レポーター◎バロンロケ地調査隊

『レッドバロン』第8話、恐るべきパワーで街を破壊するロボット・ベドウィンGの出現を受け、SSI隊員は出動する。“砂漠の魔王”の異名をとるベドウィンGは、石油採掘用に製造されたロボットだったが、鉄面党によって悪のロボットに改造されてしまったのだ。
バズーカ砲で応戦するSSIにレッドバロンも加わって、ベドウィンGの弱点である腹部ビームランプを狙う。…が、健の繰り出すバロンパンチもエレクトリッガーも、磁力反射ミラーによって軽々と跳ね返されてしまうのだった。
万策尽きたかに見えるSSIとレッドバロンに、起死回生のチャンスは訪れるのか!?
ワンショットになった真理の背景に映る6-8-14棟。
映像ではまだ若木だった松が、今では建物を凌ぐ程の高さに生長している。
1967(昭和42)年に完成した“鶴川団地(旧.公団鶴川団地)”は、小田急電鉄小田原線の鶴川駅より北西約1.5キロメートルの高台に位置するベッドタウンで、かつて狛江にあった“日本現代企画”からも世田谷通りで1本と利便性が高い。
バロンシリーズに於いては町田市もロケ地集中エリアと位置付け、隣接する多摩市、川崎市、横浜市青葉区と共に今後も注目していきたい。
大作と大郷の背景に映り込む道路右手のブロック壁にも、41年の時を刻んできた風合いが…。

大作の背景に映る6-9-8棟は木々に遮られてしまっているが、同じ建物であることを目視で確認(上)。

大郷の左後方には二種類の街路灯が映り込んでいるが、ひとつは木々に遮られ見通せず、ひとつは撤去されたと思われる(下)。
“鶴川団地”の外周道路は、『仮面ライダー』第10話のロケ地(撮影中にバイクの転倒事故が起きた場所)としてつとに有名である。
団地内の“セントラル商店街”は、
『金曜日の妻たちへ3 恋におちて』(1985年/木下プロダクション/TBS)、『熱中時代(ドラマスペシャル)』(2011年/日本テレビ)などにも登場。『まほろ駅前番外地』(2013年/テレビ東京/リトルモア)では、団地でチラシを配るシーンが撮影されている。
上述の街路灯二種。何れも、世紀を跨いで通用する洗練されたデザインだ。

大郷の撮影ポイントから少し北西へ移動した場所に、撤去されたものと同型の街路灯が現存(上)。

木々に遮られて大郷の撮影ポイントからは見通せなかった街路灯を、別角度から見る(下)。
“鶴川団地”から画面が切り替わると、そこにはバズーカ砲を構えてベドウィンGに立ち向かうSSI隊員達の姿が映る。場所は見憶えのある“お化けマンション”だ。実際、この二地点の距離は100メートル程しかなく、非常に効率的な撮影だったことが分かる。
隣接する団地の完成(1967年)と時を同じくして着工した“お化けマンション”だが、完成して住民を迎え入れる日は遂に来なかった。遺構は24年もの間放置され、爆破を伴う撮影のメッカとなり、周辺住民の皆さんはさぞかし頭を悩ませておられたことだろう。
また、建築基準を満たしていない遺構内を縦横無尽に走り回っていたスタッフ・キャストの皆さんも、内心穏やかではなかっただろう。
そんな闇も緩さも引っ括めた上で、この時代の作品は評価されているのかもしれない。
団地の撮影ポイントから東方向に100メートル程坂を上ると“お化けマンション”跡(現.能ヶ谷きつねくぼ緑地)へ辿り着く(上)。

綺麗に整地された“お化けマンション”跡地。1991年5月に取り壊されるまで、特徴ある“くの字型”の建物がこの場所にあった。SSIがバズーカ砲でベドウィンGに立ち向かうのは、団地とは逆側の敷地東端(画像奥)だったと思われる。(中)。

“お化けマンション”跡地の北側は崖で、その下に窪地が広がっている。つまり建物は崖を背に建っていた訳で、例え完成していたとしても、住むには一抹の不安を覚えるロケーションだったのでは…と改めて感じる(下)。
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